テレワーク向けのリモートアクセスツールには7種類の方式に分類され、接続方式や特徴が異なります。ここでは、各リモートアクセスツールの特徴を詳しく紹介します。
参考元:総務省テレワークセキュリティガイドライン第5版 PDF(https://www.soumu.go.jp/main_content/000752925.pdf)
リモートデスクトップ方式は、手元の端末に社内PCのデスクトップ画面を転送し、遠隔操作を行います。実際にデータ処理を行うのは社内のPC端末と接続されているサーバーなので、社内PCの設定やアプリをそのまま自宅PCで再現が可能。社内にいる時と同等の業務ができます。
社外端末にデータが残らないので自宅PCからの情報漏えいを防ぎます。安全な通信を実現するセキュリティ機能のほかに、管理機能が充実しているので社員の勤怠管理や業務管理がしやすいことが特徴です。
一方で、画面を転送するため、通信が重くフレームレートが低い製品は使いにくくなります。選ぶ際にはフレームレートやトラフィック量にも注意しましょう。
VPN方式とは、テレワーク端末から社内ネットワークにVPN接続を行う仮想専用線を用いた通信方式です。この際、トンネリング・データ暗号化・承認等を設定できるので、外部からは通信の内容が読み取れない仕組みになっています。
VPN方式は仮想専用線で通信をするため、社内の回線が混雑しても影響を受けにくいのが特徴です。また、カフェやワーキングスペースなどのフリーWi-Fiなど、セキュリティが危険な通信環境でもVPN接続することで通信を守ることができます。一方で、社外端末にデータが残るため情報漏えいのリスクがある、インターネットVPNの場合は通信速度が低下する場合もあるのが注意点です。
仮想デスクトップとは、サーバー上に仮想デスクトップ画面を構築し、社外にある接続端末からそのデスクトップ画面を遠隔操作して業務を行う方法です。リモートデスクトップと似ている印象を受けますが、社内PCにアクセスするリモートデスクトップとは違い、仮想デスクトップはサーバーにアクセスします。
メリットは、セキュリティ統制の集中管理ができる、オフィス業務の再現性が高い、管理・メンテナンスの手間が省けるという点。デメリットとしては、導入コストが高い点、サーバー側で必要なリソースを把握する必要があるという点が挙げられます。
テレワーク端末内に、テレワーク端末を普段使用している環境とは独立したセキュアコンテナという仮想的な環境を設け、その仮想環境内で特定の業務を行う方法です。
管理が容易な点や通信回線が不安定でも作業できる点、社外端末にデータを保存できないので情報漏えいのリスクを軽減できる点がメリットです。
手元のPCからセキュアブラウザと呼ばれる特別なブラウザを利用し、社内システムやクラウドサービスにアクセスし遠隔で業務を行う方法です。
セキュアブラウザを利用することで、ファイルのダウンロードや印刷等の機能を制限することが可能。データ管理業務の負荷を軽減できます。
社内ネットワークに接続せず、社外端末からインターネット上のクラウドサービスに直接接続する方法。GoogleドライブやDropBoxなどのパブリッククラウドサービスを利用することで、クラウド上でデータを共有して業務にあたります。
提供されているクラウドサービスを利用するのでシステム構築などの手間がありませんが、できる業務はクラウドサービス上や特定のアプリのみ。従来のデータ管理に加えてクラウド上のデータ管理へのセキュリティ対策が必要です。
スタンドアロン方式も、社内ネットワークに接続せずにテレワークをする方法です。
あらかじめテレワーク端末へ保存しておいたデータの編集や閲覧をすることで業務を行うので、オフラインでの作業が可能。通信回線の影響を受けずに業務が可能ですが、外部記憶媒体や紙資料を持ち帰る必要があります。
様々なリモートアクセス方式がありますが、その中でも「VPN方式」「リモートデスクトップ方式」「仮想デスクトップ(VDI)方式」はオフィス出勤時と同じ業務が可能です。テレワークでも慣れた環境で業務を進めることができますので、快適なテレワークを実現します。
7種類のリモートアクセスツールの特徴を紹介しました。リモートアクセスツールを導入する際は、目的や業務に必要な機能やアクセス範囲や各々の特徴を踏まえたうえで使いやすさや導入のしやすさ、セキュリティの高さに着目し、自社に合うリモートアクセスツールを選びましょう。
本サイトでは、テレワークに適した「VPN方式」「リモートデスクトップ方式」「仮想デスクトップ(VDI)方式」の接続方式のそれぞれ特徴に加え、テレワーク導入のニーズ別におすすめのリモートアクセスツールを紹介しています。リモートアクセスツールをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
Selections
自宅や外出先でオフィス出勤時と同じアプリ、システムを利用でき、オフィスと同等の業務・セキュリティレベルを確保できる方式の
リモートアクセスツールの中から、企業が持つテレワークのニーズに特化したリモートアクセスツールを紹介します。
リモートアクセスツールを選ぶ際には、各方式の特徴を理解し、自社が重視するポイントに合うものを選びましょう。
それぞれ以下の条件で選定しています。(2023年6月6日調査時点)
・ISL Online…「リモートアクセスツール」で検索しヒットしたリモートデスクトップ方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、セキュリティ対策としてSSL 256bit-AESを採用。
・Desktop VPN…「リモートアクセスツール VPN」で検索しヒットしたVPN方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、セキュリティ対策としてRSA 1024 bitによるSSL暗号化技術を採用。
・LANSCOPE…「仮想デスクトップサービス」で検索しヒットした仮想デスクトップ(VDI)方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、外部セキュリティ管理ツール等と連携が可能。