業務で利用するモバイル端末の紛失・盗難による情報漏洩を防ぐ「リモートワイプ」について、機能や注意点を紹介します。
リモートワイプとは、パソコンやスマートフォンといったモバイル端末内のデータを遠隔操作によって削除する機能のことを指します。モバイルデバイスを管理するソフトウェアに搭載されている機能で、実行すると端末内のデータが全て削除され工場出荷時の状態に初期化されるのが一般的です。テレワークが普及する中、セキュリティ対策の1つとして注目を集めています。
機密性の高いデータや個人情報の流出を防ぐことが、リモートワイプの目的です。データが保管されているモバイル端末が盗難・紛失の事故にあった際に、遠隔でデータを削除可能。被害防止・軽減に役立ちます。
よく似た機能にリモートロックとローカルワイプがあります。2つの機能とリモートワイプの違いを把握しておきましょう。
端末内のデータを削除するリモートワイプと違い、端末にロックをかける機能のことをリモートロックと言います。端末の操作をロックすることで、第三者の不正利用を防ぎます。端末内のデータは削除されないため、データの復旧が可能な点が利点です。ただし、何らかの方法でロックが解除されてしまう危険性があるため、情報漏洩のリスクはリモートロックのほうが高めになります。
ローカルワイプはリモートワイプ同様に端末内のデータを削除する機能のことを指します。リモートワイプとの違いは、端末のユーザー認証やパスワードを一定回数間違えた場合に作動する点です。インターネット回線を使って任意に操作できるリモートワイプに対し、ローカルワイプはオフライン環境でもある条件に達すると自動的にデータが削除されます。逆を言うと任意のタイミングでのデータ削除はできません。日常的に利用している際も、パスワードやユーザー認証を複数回間違えるとデータが削除されてしまう点に注意が必要です。
リモートワイプの大きな利点は、流出して欲しくないデータそのものを削除して情報漏洩を防げる点です。モバイル端末が盗まれてもデータを削除してしまえば、情報を窃取できません。端末に入れないようにロックをかけるよりも高いセキュリティ性を発揮します。
任意のタイミングでデータを削除できることで、盗難や紛失に気づいたら迅速に手を打てます。一定の条件下で作動するものではないので、日常利用に影響がないのも利点です。
リモートワイプを実行すると端末内のデータは全て削除されます。たとえ端末が戻ってきても、データの復元は基本的にできません。日頃からバックアップをとって備えておく必要があります。
遠隔で操作するため実際にデータが消去されているかどうか確認できないのが、リモートワイプのデメリットです。情報漏洩へのセキュリティをより高めるには、リモートロックやローカルワイプも併用した対策が必要になるでしょう。
遠隔操作でデータを削除するリモートワイプを実行するためには、インターネット回線への接続が必要になります。電源が切れていたり電波が届かなかったり、モバイル端末がオフライン状態だと操作できない点に要注意。盗難被害にあった場合、端末がオンライン状態のうちにリモートワイプを実行する迅速な判断が求められます。
またリモートワイプを阻止するために意図的に通信が遮断される可能性も考え、ローカル環境で作動するセキュリティ対策も講じておきましょう。
Selections
自宅や外出先でオフィス出勤時と同じアプリ、システムを利用でき、オフィスと同等の業務・セキュリティレベルを確保できる方式の
リモートアクセスツールの中から、企業が持つテレワークのニーズに特化したリモートアクセスツールを紹介します。
リモートアクセスツールを選ぶ際には、各方式の特徴を理解し、自社が重視するポイントに合うものを選びましょう。
それぞれ以下の条件で選定しています。(2023年6月6日調査時点)
・ISL Online…「リモートアクセスツール」で検索しヒットしたリモートデスクトップ方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、セキュリティ対策としてSSL 256bit-AESを採用。
・Desktop VPN…「リモートアクセスツール VPN」で検索しヒットしたVPN方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、セキュリティ対策としてRSA 1024 bitによるSSL暗号化技術を採用。
・LANSCOPE…「仮想デスクトップサービス」で検索しヒットした仮想デスクトップ(VDI)方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、外部セキュリティ管理ツール等と連携が可能。