仮想デスクトップとリモートデスクトップは一見よく似ていますが、接続方法や仕組みに大きな違いがあります。ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説しています。
リモートデスクトップ(RSD)と仮想デスクトップ(VDI)は画像転送方式という共通点がありますが、転送する画面のアクセス元に大きな違いがあります。
リモートデスクトップは社内PCにアクセスしている点に対し、仮想デスクトップはVDI機器を経由し、サーバー上の仮想化されたデスクトップにアクセスします。
リモートデスクトップ方式は社内PCのデスクトップを手元のPCや端末に転送し、社内PCを操作します。複数人でのアクセスや操作も可能で、端末に対して複数人がアクセスできる1対nの構造です。
一方仮想デスクトップ方式は、1台のサーバーに複数の仮想的なデスクトップ環境を構築し、手元のPCで操作するという仕組みです。こちらは1対1の構造です。
リモートデスクトップと仮想デスクトップは似て非なるものです。リモートデスクトップ方式は導入の手軽さから、特に中小企業に向いているツールです。
リモートデスクトップの特徴の一つは、VDIに比べて導入が簡単であることです。Windowsの標準機能を利用したり、専用のソフトウェアをインストールしたりするだけで遠隔操作が可能になるので、複雑なシステムを開発・導入する必要はありません。自社にITエンジニアがいない企業でも、簡単に操作環境を構築できます。
ユーザー管理機能やセキュリティ機能など、充実した機能が搭載されています。管理機能によって、テレワークであっても業務管理やマネジメントがしやすくなり、生産性が向上します。
テレワーク業務がしやすくなったり、管理業務負担を軽減できたりと、管理者にとってもメリットが大きいです。
リモートデスクトップはVDIと比較してコストが格段に安いことも特徴です(※1)。通信が暗号化されているリモートデスクトップサービスも多いため、VPNとの併用は不要。低コストでセキュアなテレワーク環境を構築できます。
VDIもクラウド方式であれば自社構築の必要がないので比較的安価ですが、社内システムとの連携やデータセンターでの管理など社内の管理リソースも必要なので、中小企業には不向きとされています(※2)。
コストを抑えて短期間でテレワークを実施できるので、中小企業にはリモートデスクトップがおすすめです。
※1参照元:総務省テレワークセキュリティガイドライン第5版 PDF(https://www.soumu.go.jp/main_content/000752925.pdf)
※2参照元:総務省中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き第2版 PDF(https://www.soumu.go.jp/main_content/000753141.pdf)
仮想デスクトップはゼロトラストセキュリティを実現するセキュリティの高さが特徴です。コストが高く構築に手間と時間がかかるので、大企業に向いています。
仮想デスクトップ方式では、作業したデータは全てサーバーに保存されます。社外端末に重要な情報が残る恐れがありません。マルウェア対策や不正アクセス対策等のセキュリティに関してはサーバー側で一元管理しています。そのため、どのシンクライアント端末に対しても、均一で高いセキュリティレベルを保つことが可能です。
仮想デスクトップ(VDI)方式は、サーバー上に仮想環境を作成し新規のデスクトップ環境を構築します。1台1台環境を構築する作業の大幅な削減や、社員の増加にも柔軟に対応可能。
また、OSやアプリケーションのパッチ適用やアップデート等も一括で行え、大規模なシステムでも効率的に運用ができます。
テレワーク環境を早急に構築したいという企業はリモートデスクトップがおすすめです。VDIと違ってアプリのインストールだけで導入準備ができたり、低コストで導入できたりなどのメリットがあります。管理機能も豊富で、管理者の業務負荷を軽減し、社内のIT管理リソースも低減できます。
一方で大規模な働き方改革を検討しているなら仮想デスクトップが向いています。効率的なPCの一元管理もできるため、人数が多い企業ほどメリットを感じやすいでしょう。しっかり予算と時間をかけた大規模な働き方改革を実行するなら、仮想デスクトップがおすすめです。
リモートアクセスツールの種類は多岐に渡ります。それぞれ特徴が違いますので、自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。
テレワーク導入に向けてリモートアクセスツールを選ぶ際には、使いやすさや導入のしやすさ、セキュリティの高さに着目し、自社に合うリモートアクセスツールを選びましょう。
本サイトでは、テレワークに適した「リモートデスクトップ方式」「VPN方式」「仮想デスクトップ(VDI)方式」の接続方式のそれぞれ特徴に加え、テレワーク導入のニーズ別におすすめのリモートアクセスツールを紹介しています。リモートアクセスツールをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
Selections
自宅や外出先でオフィス出勤時と同じアプリ、システムを利用でき、オフィスと同等の業務・セキュリティレベルを確保できる方式の
リモートアクセスツールの中から、企業が持つテレワークのニーズに特化したリモートアクセスツールを紹介します。
リモートアクセスツールを選ぶ際には、各方式の特徴を理解し、自社が重視するポイントに合うものを選びましょう。
それぞれ以下の条件で選定しています。(2023年6月6日調査時点)
・ISL Online…「リモートアクセスツール」で検索しヒットしたリモートデスクトップ方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、セキュリティ対策としてSSL 256bit-AESを採用。
・Desktop VPN…「リモートアクセスツール VPN」で検索しヒットしたVPN方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、セキュリティ対策としてRSA 1024 bitによるSSL暗号化技術を採用。
・LANSCOPE…「仮想デスクトップサービス」で検索しヒットした仮想デスクトップ(VDI)方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、外部セキュリティ管理ツール等と連携が可能。