リモートデスクトップを使用していると、動作が遅くなってしまうことがあります。ここでは、遅延の原因と遅延しにくいリモートデスクトップツールの選び方を詳しく紹介しています。
リモートデスクトップが遅延する原因としてまず考えられるのが、使用しているPCや端末の通信環境です。リモートデスクトップは画面を転送して操作する仕組みなので、通信環境は転送速度に直結します。
まずは通信回線の確認です。自宅でテレワークを行っている場合は、Wi-Fi回線の状態やスピードを確認しましょう。ネットワーク通信量は、一般作業において2Mbps程度、動きの多い画面では10Mbps~15Mbps程度の通信量が必要なので、それに対応しているか確認してください。
確認した結果によってはネットワーク利用量の見直し、スピードの速い回線や機器に選び直すなどの対策を行いましょう。また、他のPCや機器の使用によって回線が込み合って遅延している可能性もあるので、自宅全体のネットワーク利用量を確認してみてください。
接続先PCあるいは接続元PCのCPU使用率が高くなっているのかもしれません。PCのメモリやCPUを多く使用するプログラムはできる限り使わず、必要なアプリケーションのみを立ち上げるようにしましょう。
PC内の整理やOSの設定等で、通信だけではなくPCに負担を掛ける設定をなるべくなくしておくことも大切です。
クライアント端末のフレームレートが低いことも、リモートデスクトップ遅延の原因となります。フレームレートとは、1秒間に表示する画像の枚数のことで、fps(frame per second)という単位で表します。fps値が低いと、動作が遅くなったりカクカクした動きになったりと、操作にストレスを感じます。画質や動作設定でフレームレートを高くできる場合もあるので、設定を変えてみるのも有効でしょう。
それでも改善しない場合は、サポートデスクに相談したり、他のリモートデスクトップへの変更を検討してみてください。
先ほども少しお伝えしましたが、リモートデスクトップが遅延する原因のひとつは、リモートデスクトップのフレームレートが低いこと。一方、フレームレートが高いものは遅延しにくく動画も滑らかに動作します。
クライアント端末の接続環境やCPU使用率等を見直すことを前提に、どのリモートデスクトップが良いのか悩んでいる場合はフレームレートが高い製品を選ぶことをおすすめします。
フレームレートの数値が高くなるほど滑らかな動きになります。ゲーミングPCなど動きの早さが需要になるものは120fpsにもなりますが、日本人の目が違和感のない動きと感知するのはfps30ほど(※)。
以下、フレームレートの目安です。
リモートデスクトップにおいても、fps30ほどであれば遅延をほとんど感じることもないでしょう。画面転送の速度は作業の効率にも関わるため、fpsに注目してみてください。
参照元:Canon japan公式HP(https://canon.jp/business/trend/what-is-framerate)
リモートデスクトップを選ぶ際にはフレームレートも重要という話をしましたが、実際にどのような製品がおすすめなのか。公式HPにフレームレートを記載しているリモートデスクトップ製品を紹介します。
自社開発技術により回線への負担を減らしています。フルHDでfps30(フレームレート最高30)であり、動作が滑らかで綺麗です。高いフレームレート技術で途切れない遠隔操作と快適な動画再生が可能。まるで手元のPCを操作しているような快適なリモートコントロールを実現します。
また、接続方式を3つ用意しており、必要に応じてより通信量を削減できることが大きなポイント。改善型ビューアやWebビューアを使用すると標準ビューアより通信量が30%以上減少し、さらにスムーズな動作で利用できます。
従来以上のフレームレートを実現することで、滑らかに再生される動画を他ユーザーとリアルタイムでの共有が可能。携帯回線を使った実験では、LTEで37fps、5Gで60fpsという高い数値を出しました。これから5Gによって、より低遅延で社内PCの遠隔操作ができるようになるでしょう。
ローカルネットワークや他のほとんどのインターネット接続で60という速さ。低レイテンシで遅延を感じない瞬間的な動作が可能です。世界で使用されているリモートデスクトップなので、インターネットの接続性が悪い国や地域でも利用できます。
独自のストリーミング技術で高速画面転送を可能にし、フレームレートはLAN-30fps(3G-25fps)。コントロール対象となるPCのグラフィックエンジンを最大限に利用し、高いパフォーマンスを実現。毎秒30フレームをサポートしています。iOSやAndroid等のモバイル回線でもスムーズに操作でき、グラフィックアプリや動画も快適に扱えます。
リモートデスクトップの遅延には、クライアント端末の通信環境や使用しているPCのCPU使用率が高いなど、さまざまな原因がありますが、リモートデスクトップ製品自体のフレームレートにも注目してみましょう。フレームレートが高いほど動作も快適で、動画の再生も滑らかになり、スムーズに業務を進めることができます。
テレワーク導入に向けてリモートアクセスツールを選ぶ際には、遅延を含めた使いやすさの他に、導入のしやすさ、セキュリティの高さに着目し、自社に合うリモートアクセスツールを選びましょう。
本サイトでは、テレワークに適した「リモートデスクトップ方式」「VPN方式」「仮想デスクトップ(VDI)方式」の接続方式のそれぞれ特徴に加え、テレワーク導入のニーズ別におすすめのリモートアクセスツールを紹介しています。リモートアクセスツールをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
Selections
自宅や外出先でオフィス出勤時と同じアプリ、システムを利用でき、オフィスと同等の業務・セキュリティレベルを確保できる方式の
リモートアクセスツールの中から、企業が持つテレワークのニーズに特化したリモートアクセスツールを紹介します。
リモートアクセスツールを選ぶ際には、各方式の特徴を理解し、自社が重視するポイントに合うものを選びましょう。
それぞれ以下の条件で選定しています。(2023年6月6日調査時点)
・ISL Online…「リモートアクセスツール」で検索しヒットしたリモートデスクトップ方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、セキュリティ対策としてSSL 256bit-AESを採用。
・Desktop VPN…「リモートアクセスツール VPN」で検索しヒットしたVPN方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、セキュリティ対策としてRSA 1024 bitによるSSL暗号化技術を採用。
・LANSCOPE…「仮想デスクトップサービス」で検索しヒットした仮想デスクトップ(VDI)方式ツールでお試しプランのある上位10社のうち機能が最も多く、外部セキュリティ管理ツール等と連携が可能。